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各種脱毛(AGA)対策薬の特徴と注意点

AASやSARMsを使用すると、基本的に通常より脱毛(AGA)が起こりやすくなります。それだけではなく、一般的な医療ガイドラインでは対応できない脱毛が起こることもあります。
本記事では、AAS/SARMs使用時における、各種脱毛(AGA)対策薬の特徴と注意点について解説します。

脱毛の仕組みは脱毛(AGA)のメカニズム、薬剤ごとのリスク差は薬剤ごとの脱毛(AGA)リスクにあります。[1][2][3]

各種脱毛(AGA)対策薬の種類

AAS/SARMs使用時における、脱毛(AGA)対策薬は主に3種類あります。

対策薬主な成分主な働き
5αリダクターゼ阻害剤フィナステリド、デュタステリドDHT変換を防ぐ
外用AR遮断薬RU58841、Pyrilutamide、Clascoterone、FluridilARを局所で抑える
ミノキシジル製剤外用ミノキシジル、内服ミノキシジル発毛を助ける

上記3種類の脱毛(AGA)対策薬は、種類によって働き方が異なります。
一般的なガイドラインと、AAS/SARMs使用時の使用例を交えて、種類ごとに解説します。

5αリダクターゼ阻害剤

5αリダクターゼ阻害剤は、テストステロンのDHTへの変換を抑える薬です。

AAS/SARMsとαリダクターゼ阻害剤

5αリダクターゼ阻害剤は、テストステロンのDHTへの変換を抑えることで、脱毛(AGA)治療効果を発揮していますが、AAS/SARMs使用時は注意が必要です。
まず、5αリダクターゼ阻害剤が効く薬剤(テストステロンなど)を使用したとしても、通常より体内のホルモン量が多く、その代謝産物も多いため、通常時と比較すると脱毛の進行を完全に止めることが難しいです。

また、DHT系の薬剤やトレンボロン、フルオキシメステロン、SARMs等によるAR刺激は、5αリダクターゼに依存しないため、5αリダクターゼ阻害剤では抑制できません。このため、テストステロン系の以外の薬剤による脱毛(AGA)対策として5αリダクターゼ阻害剤は、ほぼ意味がありません。

5αリダクターゼ阻害剤が逆効果となる場合

AAS/SARMs使用時では、5αリダクターゼ阻害剤が意味をなさないだけでなく逆効果となる場合もあります。
それは、ナンドロロン使用時です。ナンドロロンでは5αリアクターゼでAR結合性が弱いDHN(ジヒドロナンドロロン)に変換されます。なので、ナンドロロン使用時に5αリダクターゼ阻害剤を使用すると、逆に高いAR結合性を維持しやすい状態になってしまい逆効果となってしまいます。

5αリダクターゼ阻害剤によるトラブル

また、AAS/SARMs使用時に5αリダクターゼ阻害剤を使用する場合は、女性化乳房(ガイノ)などの副作用にも注意が必要です。テストステロン主軸では、DHT低下だけでなくエストロゲン側の副作用も同時に管理対象になります。

外用AR遮断薬

外用AR遮断薬は、局所的にAR結合を抑える薬剤です。DHT生成を下げる、5αリダクターゼ阻害剤とは異なる性質を持ちます。[4][5]

AAS/SARMsと外用AR遮断薬

外用AR遮断薬は、AAS/SARMs使用時における脱毛対策のスタンダードとなりつつあります。
高用量AAS、DHT誘導体、トレンボロン、SARMsなど、5αリダクターゼ阻害剤が効かない、あるいは逆効果となるような状況で、頭皮のAR結合を防げる唯一の選択肢が外用AR遮断薬だからです。

外用AR遮断薬の注意点

よく名前が挙がる外用AR遮断薬は、RU58841で、Pyrilutamide、Clascoterone、Fluridilが続きます。
いずれもまだ研究途中の成分で、一般的に市販されているわけではありません。
各成分ごとの比較は外用AR遮断薬にあります。

外用薬なので、局所的に作用し全身性の副作用のリスクは低いと言われますが、外用薬でも血中濃度はある程度上昇するので副作用は出ます。
心肺系の副作用やメンタル、性欲減退といった副作用が多いです。

ミノキシジル製剤

ミノキシジルは、発毛補助薬で外用薬、内服薬として使用されています。DailyMedの5%外用ラベルは用途を頭頂部の発毛としています。[6]

AAS/SARMsとミノキシジル

ミノキシジルは発毛を助ける薬なので、AAS/SARMs使用時のようなAR刺激が強い(脱毛優位)状態では、脱毛の進行を抑えるのが難しいです。あくまで、発毛補助薬なのでAAS/SARMsを使用していなくても、脱毛自体を抑えることはできません。ミノキシジルは発毛を促進することで、相対的に脱毛が抑制されたように見せています。

ミノキシジルの注意点

AAS/SARMs使用時に5αリダクターゼ阻害剤を使用する場合は、基本的に外用ミノキシジルになります。内服ミノキシジルは全身性の血管拡張薬で、血圧、心拍、浮腫、心血管負担が主なリスクで、AAS/SARMsで出やすい副作用と重なり、高リスクなのでほとんど使われません。

ただ、外用ミノキシジルに関しても、AAS/SARMs使用中の肌と相性がよくない上に、脱毛自体を抑えるわけではないので、一般的な脱毛(AGA)対策と比較すると使用されることが少ないです。

まとめ

出典

  1. Kaufman KD, et al. Finasteride in the treatment of men with androgenetic alopecia. Finasteride Male Pattern Hair Loss Study Group. J Am Acad Dermatol. 1998;39(4 Pt 1):578-589. (PubMed / NLM / Overview)
  2. Kicman AT. Pharmacology of anabolic steroids (British Journal of Pharmacology / 2008 / Overview)
  3. NCBI Bookshelf: Selective Androgen Receptor Modulators (NCBI Bookshelf / Overview)
  4. Battmann T, et al. RU 58841, a new specific topical antiandrogen. J Steroid Biochem Mol Biol. 1994. (PubMed / Overview)
  5. Sovak M, et al. Fluridil, a rationally designed topical agent for androgenetic alopecia: first clinical experience. Dermatol Surg. 2002. (PubMed / Overview)
  6. DailyMed: HAIR REGROWTH TREATMENT - minoxidil topical solution 5% (DailyMed / NLM / Drug Facts and consumer label)