サスタノン250

基本情報

構造

サスタノン250の構造式
分子式
混合製剤
内容量
250mg / 1mL [1]
組成
プロピオン酸 (30mg), フェニルプロピオン酸 (60mg), イソカプロン酸 (60mg), デカン酸 (100mg) [1]
主な構造修飾
4種のテストステロンエステルの混合

性質

系統
テストステロン
投与経路
注射
17αアルキル化
なし
AAR
100 : 100
最高濃度到達
投与後約24〜48時間 [1]
有効期間
約21日間(ベースライン回帰まで) [1]
エストロゲン性
[2]
アロマターゼ活性
[2]
プロゲスチン性
なし

歴史

誕生

サスタノン250(Sustanon 250)は、オルガノン社によって開発されたテストステロン混合製剤です。単一のエステルを用いた製剤よりも、血中のテストステロン濃度を長期間にわたってより安定かつ速やかに維持することを目的に設計されました。[1][2]

医療

主に男性性腺機能低下症(低テストステロン症)の補充療法(TRT)に用いられます。短期間で作用するプロピオン酸エステルから、長期間持続するデカン酸エステルまでを組み合わせることで、通常の治療では3〜4週間に1回程度の注射で生理的なテストステロンレベルを維持できるとされています。[1][1]

ボディビル

その「速効性と持続性の両立」というコンセプトから、ボディビル界でも非常に人気のあるテストステロン製剤です。複数のエステルが含まれているため、サイクル初期の立ち上がりが早い、かつ頻繁な注射を必要としないというメリットが期待されます。[2]

特徴とリスク

特徴

サスタノン250は、以下の4種類のエステルを独自の比率で配合しています。

  • 段階的な放出: プロピオン酸(短鎖)が即座に血中濃度を上げ、フェニルプロピオン酸とイソカプロン酸(中鎖)がそれを引き継ぎ、最終的にデカン酸(長鎖)が数週間にわたって放出を継続します。[1][1]
  • テストステロンとしての性質: 放出された後の活性本体は純粋なテストステロンであるため、同化作用およびアンドロゲン作用の性質はテストステロンそのものです。
  • 安定性のメリットとデメリット: 医療用としては注射頻度を減らせるメリットがありますが、ボディビル目的の高用量使用では、複数のエステルのピークが重なることで血中濃度の管理が単一エステルよりも複雑になる側面もあります。[2][1]

リスク

エストロゲン副作用

テストステロンであるため、アロマターゼによってエストラジオールに変換されます。水分貯留、女性化乳房、血圧上昇などのリスクがあり、必要に応じてアロマターゼ阻害薬(AI)の併用が検討されます。[2][1]

アンドロゲン副作用

ニキビ、男性型脱毛、多毛、前立腺への影響など、テストステロン特有のアンドロゲン副作用が発生します。これらは組織内でのDHTへの変換に依存します。[1][2]

自己産生の抑制

外因性のテストステロンを投与することで、下垂体からのLHおよびFSHの分泌が抑制され、精巣萎縮や一時的な不妊を引き起こします。[1][1]

注射部位の反応 (PIP)

複数のエステルと高い濃度設定により、注射部位に痛みや腫れ、炎症(Post Injection Pain)が生じやすいと感じるユーザーもいます。[1]

競技規制上の扱い

WADA禁止表では、テストステロン(およびその混合製剤)はS1のアナボリック薬に該当し、競技会時・競技会外ともに禁止されています。[3]

出典

  1. Sustanon 250 - Summary of Product Characteristics, HPRA (assets.hpra.ie / Overview)
  2. Kicman AT. Pharmacology of anabolic steroids (British Journal of Pharmacology / 2008 / Overview)
  3. World Anti-Doping Agency: 2026 Prohibited List (World Anti-Doping Agency / Overview)
作成: