テストステロン単体で行う場合のサイクル例。
ここではTestosterone E/C 300-600mg/週を16週行うケースについて解説する。
サイクル概要
300-600mg/週で16週入れるサイクル。週2回、1回150-300mg、E3.5Dで投与する。
使用するAAS等
テストE/Cは比較的長いエステルなので、テストPのようなEOD注射ではなく週2回の投与。テストEの筋注後半減期は約6.6日、テストCの半減期は約8日。[1][2][3]
投与スケジュール例
以下は、週500mgとした場合の16週サイクル例
| 週 | テストステロン | 投与間隔 |
|---|---|---|
| 1 | 500mg/w | E3.5D |
| 2 | 500mg/w | E3.5D |
| 3 | 500mg/w | E3.5D |
| 4 | 500mg/w | E3.5D |
| 5 | 500mg/w | E3.5D |
| 6 | 500mg/w | E3.5D |
| 7 | 500mg/w | E3.5D |
| 8 | 500mg/w | E3.5D |
| 9 | 500mg/w | E3.5D |
| 10 | 500mg/w | E3.5D |
| 11 | 500mg/w | E3.5D |
| 12 | 500mg/w | E3.5D |
| 13 | 500mg/w | E3.5D |
| 14 | 500mg/w | E3.5D |
| 15 | 500mg/w | E3.5D |
| 16 | 500mg/w | E3.5D |
週2回の場合、3.5日ごとに注射するが、都合で厳密に3.5日おきにする必要はなく、3日ごと、4日ごとの運用でもよい。代謝速度や血中濃度は個人差があるので、そこ含めて自分に合う形で運用すること。
起こりやすい副作用
テストステロン単体のサイクルは、他のAASと比べると副作用は出にくいが、ニキビやガイノ、脱毛などには注意が必要。[1][3]
用意するバイアルの数
投与量と総テストステロン量
| 週量 | 期間 | 総テストステロン量 |
|---|---|---|
| 300mg/w | 16w | 4800mg |
| 400mg/w | 16w | 6400mg |
| 500mg/w | 16w | 8000mg |
| 600mg/w | 16w | 9600mg |
500mg/週を16週続けると、合計8000mgになる。
250mg/mLの10mLバイアルなら1本2500mgなので、3本では7500mgで足りない。4本目が必要になる。
16週のサイクルが組めなくても、最低12週〜で組めると自分の反応性や副作用などの傾向を確認できる
投与頻度とバイアルの量で若干サイクルの長さが変わるのは、事前決定であれば許容事項。
注射器内のロス、針交換、漏れ、バイアル残量などの誤差があるため、計算量ぴったりで用意するのは避ける。
用意するバイアルの数
16週サイクルに必要なバイアルの本数、10mLバイアルで計算。表の本数は総量を満たす最小本数。
| 週量 | 16週総量 | 200mg/mL | 250mg/mL | 300mg/mL |
|---|---|---|---|---|
| 300mg/w | 4800mg | 3本 | 2本 | 2本 |
| 400mg/w | 6400mg | 4本 | 3本 | 3本 |
| 500mg/w | 8000mg | 4本 | 4本 | 3本 |
| 600mg/w | 9600mg | 5本 | 4本 | 4本 |
250mg/mLで週500mgなら、4本用意すると16週分の32mLに対して8mLの余りが出る。
一回ごとの注射量
週2回で割る場合、1回量は週量の半分になる。
| 週量 | 1回量 | 200mg/mL | 250mg/mL | 300mg/mL |
|---|---|---|---|---|
| 300mg/w | 150mg | 0.75mL | 0.60mL | 0.50mL |
| 400mg/w | 200mg | 1.00mL | 0.80mL | 0.67mL |
| 500mg/w | 250mg | 1.25mL | 1.00mL | 0.83mL |
| 600mg/w | 300mg | 1.50mL | 1.20mL | 1.00mL |
200mg/mLではmL数が増え、大腿PIPが出やすい人には負担が大きい。
300mg/mLではmL数は減るが、高濃度オイルでPIPが強く出ることもある。
テストE/Cは週2回なので、臀部と外側臀部だけでもローテーションを組める。大腿でPIPが強い人は、薬剤を足す前に部位を変える。
AI(アロマターゼ阻害剤)の準備・使用
テストステロン単体のサイクルなので、AIは必須とまでは言わないが準備しておくのがセオリー。
基本的に、テストステロンとE2量には相関性があり、E2自体は高くなる。[4]
ただし、ERの感受性は個人差が大きいので、AIを使用しないでも問題ない場合もある。
AI(アロマターゼ阻害剤)を投与するタイミング
サイクルの最初からAIを入れることを推奨する場合もあるが、心血管系トラブルや、関節・骨保護の観点ではE2の作用がある程度あった方が良いので、乳首にかゆみや痛みが出たタイミングで導入すれば良い。[5][4]
ただし、入手までの時間はかかるので事前に準備しておくこと。
AI(アロマターゼ阻害剤)の選び方
テストステロン単独の場合、よほどER感受性が高い人でなければ、アナストロゾール(アリミデックス)で十分なことが多い。
その他のAIに関してや横断的な選び方は、AI(アロマターゼ阻害薬)の選び方にて解説。
出典
- DailyMed: TESTOSTERONE ENANTHATE - testosterone enanthate injection, solution (DailyMed / NLM / Overview) ↩
- Ichihara K, et al. Pharmacokinetics of Testosterone Enanthate After Intramuscular Injection for Transgender Men. Androgens: Clinical Research and Therapeutics. 2020;1(1):15-21. (DOI / Overview) ↩
- DailyMed: DEPO-TESTOSTERONE - testosterone cypionate injection, solution (FDA Label) (DailyMed / NLM / Overview) ↩
- Endotext: Androgen Physiology, Pharmacology, Use and Misuse (Endotext / NCBI Bookshelf / Overview) ↩
- Dougherty RH, et al. Effect of aromatase inhibition on lipids and inflammatory markers of cardiovascular disease in elderly men with low testosterone levels. Clinical Endocrinology. 2005;62(2):228-235. (PubMed / NLM / Overview) ↩