初回AASサイクルで失敗しやすいのは、薬剤が弱いからではありません。テストステロン、経口剤、アロマターゼ阻害薬(AI)、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、減量薬を同時に増やすと、体重増加、むくみ、血圧上昇、性欲低下、脂質悪化の原因が判定できなくなります。
初回で確認したいのは、テストステロン単独で体重、水分、E2、血圧、肌、性欲、睡眠、血液検査、ポストサイクルセラピー(PCT)後の回復がどう動くかです。この情報がないまま二回目に薬剤を増やすと、次のサイクル設計も曖昧になります。
始める前にそろえる項目
血液検査、血圧、食事記録がない
使用前の総テストステロン、遊離テストステロン、LH/FSH、E2、SHBG、脂質、CBC、肝機能、腎機能がない場合、終了後に「戻った」と判定できません。家庭血圧と安静時心拍数も開始前から記録します。食事では一日の摂取カロリー、たんぱく質量、体重の週平均が必要です。ここがないと、薬剤不足と摂取不足が混ざります。
開始前に必要な項目はAAS/SARMs開始前に必要な血液検査と生活記録で詳しく説明しています。検査不足のまま薬剤を増やすほど、原因は見えなくなります。
体脂肪と食事がE2管理を難しくする
初回テストステロン例では、体脂肪が高いほどアロマ化、水分、血圧の問題が出やすくなります。体脂肪率は15%未満、可能なら10-12%程度まで落とし、自然の増量と減量を一度は成功させてから開始を考える水準です。増量目的なら、使用前に体重が週0.25-0.5%増える食事を数週間続けられている必要があります。摂取が不安定なまま始めると、4週目の体重停滞を薬剤不足と誤認しやすくなります。
初回で記録する項目
体感と数値
| 反応 | 記録する数値・観察 | 役割 |
|---|---|---|
| 体重 | 起床後体重の週平均、ウエスト、写真 | 筋量、グリコーゲン、水分、脂肪増加の区別 |
| 水分 | 顔、足首、指輪のきつさ、血圧 | E2、塩分、体重増、経口AASの影響 |
| 性機能 | 性欲、勃起の硬さ、射精感、朝立ち | 高E2、低E2、睡眠、SERM、19-norの影響 |
| 肌 | 皮脂、顔面ニキビ、背中ニキビ、頭皮 | テストステロン単独時のアンドロゲン反応になる |
| 睡眠 | 入眠、夜間覚醒、発汗、いびき | E2、血圧、体重増、トレーニング疲労の警告になる |
| 検査 | 6週前後のE2、脂質、CBC、肝機能 | 体感と数値のズレを拾う |
失敗が見えなくなる組み方
経口AASを同時に足すと脂質と肝機能の原因が混ざる
初回からジアナボル、アナバー、トゥリナボル、アナドロールを足すと、筋力やパンプは出やすくなります。その代わり、HDL低下、LDL上昇、AST/ALT上昇、血圧上昇、水分感の原因が複雑になります。初回経験談では、ジアナボル追加後に体重と挙上重量が急に伸びる一方で、血圧上昇、頭痛、パニック感、乳首痛が同時に出た例があります。経口AASを入れるなら、テストステロン単独でE2と血圧の傾向が出た後にし、追加前後の脂質と肝機能を比較できる状態が必要です。
AIとSERMを固定するとE2の高低が見えなくなる
AIを最初から固定すると、高E2を避ける代わりに低E2側の関節痛、気分低下、性欲低下、筋肉の張りの弱さが出ることがあります。AIは症状と血液検査で必要性を確認してから使う薬です。先回りで入れるほど、テストステロン単独の反応が曖昧になります。SERMはE2そのものを下げず、乳腺、気分、視覚症状、LH/FSHに影響します。
16週テストステロン単独で起こる変化
1-4週は体感より食事と水分を固定する
エナント酸テストステロンまたはシピオン酸テストステロンは、開始直後から血中濃度が上がっても、見た目と回復感は3-4週目から分かりやすくなります。初回ガイドでは、血中濃度の飽和に2-3週ほどかかり、回復感や軽い体重増は3-4週目から出やすいと説明されています。1-4週では、体重週平均、塩分、炭水化物、血圧、安静時心拍数の安定が重要です。食事量が日ごとに大きく揺れると、4週目の体重変化は薬剤評価に使えません。
5-6週でE2と脂質を数値化する
テストステロンを週2回に分けている場合、採血は次の注射直前の谷間に合わせると比較しやすくなります。5-6週ではE2、総テストステロン、CBC、脂質、肝機能、血圧を確認し、むくみ、乳首、性欲、関節、気分の体感と結びつけます。AIを使った場合は、投与日、量、体感の変化を同じ週に記録します。
最終4-6週の経口追加は初回の答えを濁す
初回でアナバーやトゥリナボルを最終盤に足す構成は、短期の筋力上昇を作れる一方で、脂質と肝機能の悪化、血圧上昇、肌荒れを追加薬側に寄せて判定する検査が必要になります。プリモボランとアナバーを初回途中で足した経験談では、筋力は大きく伸びた一方で、強いニキビ、血圧問題、低E2による気分・性欲・勃起の悪化が重なっています。ジアナボルやアナドロールでは水分、血圧、乳首症状がさらに混ざります。初回の目的が自分のテストステロン反応を把握することなら、経口追加は次回以降に回した方が情報量は多くなります。
次回に使える記録
開始前、6週、PCT後4-6週を並べる
開始前の値がないPCT後検査は、参照範囲に入ったかどうかしか判定できません。PCTの流れはAAS/SARMs後のPCTとSERM終了後検査に、SERM後の確認はPCT後・クルーズ移行後の血液検査に詳しい説明があります。開始前、6週、SERM後の値が並ぶと、次回の薬剤追加が現実的に検討できます。
オン中の体重ではなくPCT後の筋力で評価する
オン中の体重増は水分とグリコーゲンを含みます。16週で残る除脂肪量を4-8lb程度、総体重増を20lb前後、終了後に落ちる水分・グリコーゲンを5-8lb程度と想定すると、主要種目の重量、レップ数、見た目、性欲、睡眠、血液検査がどこまで維持されたかを評価しやすくなります。オン中の膨らみをすべて筋肉として数えずに済みます。
500mg/週テストステロン単独の16週例
1-16週をテストステロンE/Cだけで固定する
初回例として置くなら、エナント酸テストステロンまたはシピオン酸テストステロンを500mg/週、250mgを週2回にする16週構成が分かりやすくなります。ここにジアナボルやアナバーを足しません。AIも最初から固定投入せず、乳首の違和感、むくみ、血圧、E2検査で必要性を確認します。
体重増の期待値を水分込みで読む
この組み方では、スケール上は大きく増えても、終了時に水分とグリコーゲンで数kg落ちます。テストステロンだけで食事、体重、水分、血圧、E2、皮脂、性欲を並べられると、二回目以降にプリモボラン、ボルデノン、フェニルプロピオン酸ナンドロロン(NPP)、経口AASを足したときの変化が分かります。