PCTはサイクル末尾の付録ではありません。自然状態へ戻る計画では、最終投与日、薬剤が抜ける期間、SERM期間、SERM後の血液検査までが一続きになります。
クルーズへ移る計画とは別物です。PCTで戻るかクルーズへ移るかの違いはPCTで戻るかクルーズに残るかで詳しく説明しています。
長いエステル後のPCT
最終注射直後には始まらない
エナント酸テストステロン、シピオン酸テストステロン、デカン酸ナンドロロン、ボルデノンでは、最終注射後もしばらく薬剤が残ります。血中濃度が高いままSERMを入れても、自然回復の判定にはなりません。初回テストステロンE/Cの例では、最終注射後すぐに薬を重ねず、少なくとも数週間は薬剤が落ちる期間にします。長いエステルほど、最終注射日とPCT開始日の間に抜ける期間が必要です。
テストステロンE/Cでは長めに待つ
16週のテストステロンE/C例では、最終注射後すぐにPCTへ入らず、薬剤が落ちる期間を置いてからSERMへ入る形が多くなります。短すぎる待機では抑制が残ったままになり、長すぎる待機では低テストステロン状態が長引きます。最終注射日、使用エステル、体感、血液検査を同じ記録にまとめます。
SERM期間
タモキシフェンとクロミフェンは役割が近い
PCTでは、タモキシフェンやクロミフェンのようなSERMでLH/FSHを動かし、精巣側のテストステロン産生を戻します。PCTガイドでは、4週だけ高用量で押すより、6-8週ほど低めに続ける考え方が強調されています。タモキシフェン10-20mg/day、クロミフェン25mg/dayまたは50mg隔日のような低め長めの形が置かれることがあります。高用量で短く押すほど、気分、視覚症状、E2、性機能のズレが出やすくなります。
SERM中の体感は回復完了ではない
SERM中に性欲や気分が戻っても、薬でLH/FSHを押している状態です。PCTの成否は、SERM終了後に数週間置いた血液検査と体感で確認します。SERM中の総テストステロンだけで自然回復を判定すると、薬が抜けた後の落ち込みを見逃します。
SARMs後のPCT
オスタリン、リガンドロール、テストロンでは抑制幅が違う
オスタリンでは抑制が軽く見えることがありますが、LGD-4033(リガンドロール)やRAD-140(テストロン)ではLH/FSH、総テストステロン、脂質、肝機能がより強く動くことがあります。8週サイクルでもPCT薬の有無だけでは不十分です。開始前、中間、終了後の数値を比べます。リガンドロール+エンクロミフェン後の血液検査では、総テストステロンが保たれていてもE2上昇、気分不安定、疲労、ニキビ、乳首感が並んだ相談があります。エンクロミフェン併用中に総テストステロンが保たれても、SARM本体の抑制や脂質悪化は消えません。
オン期間サポートとPCTは別物
エンクロミフェンをSARMs中に使う形は、PCTと同じではありません。使用中にLH/FSHを押している状態と、SARMを切った後に自然状態へ戻る過程は別です。SARMs中のエンクロミフェンはエンクロミフェン併用SARMsサイクルで詳しく説明しています。
hCGとクルーズ
hCGだけでは下垂体側を戻さない
hCGはLH様に精巣を刺激しますが、本人のLH分泌を戻す薬ではありません。hCGガイドでは、hCGの使用時期はサイクル中またはPCT開始前までで、PCT中に使い続けるとHPTA再起動の目的とぶつかると説明されています。精巣萎縮や妊孕性を重視する場合でも、hCGだけでPCTを済ませる形は下垂体側の回復を残しにくくなります。hCG、SERM、E2、精液検査は別々に管理します。
クルーズはPCTの代替ではない
クルーズを選ぶと、自然回復を待たず、低用量テストステロンを継続する長期管理へ移ります。PCT失敗を避けるための抜け道ではなく、血液検査、血圧、脂質、ヘマトクリット、E2、妊孕性を年単位で追う選択です。
PCT後の確認
SERM終了後4-6週で採血する
PCT後の判定は、SERM終了直後ではなく4-6週ほど置いた血液検査で行います。総テストステロン、遊離テストステロン、LH/FSH、E2、SHBG、CBC、脂質を開始前と比べます。PCT後検査の具体的な項目はPCT後・クルーズ移行後の血液検査で詳しく説明しています。
筋力と体重は水分低下を含めて評価する
オン中の体重、パンプ、筋力は水分とグリコーゲンを含みます。PCT後に体重が数kg落ちても、それだけで失敗とは言えません。自然状態へ戻った後の主要種目、性欲、睡眠、気分、血液検査が開始前に近いかどうかが重要です。