ナンドロロン、NPP、トレンボロンなどの19-nor系では、性欲低下、ED、射精困難、感覚低下、抑うつ、無気力がまとまって出ることがあります。公開フォーラムの自己申告では、Deca/NPPのいわゆるdeca dick、hard to bust、numb penis、no libido、トレンボロン後の低sex driveやPCT後クラッシュが反復して語られます。
この系統は、単純な「高E2」「低T」だけでは説明しにくい相談が多い領域です。HPTA抑制、E2、プロラクチン、プロゲスチン作用、睡眠破壊、メンタル変化が重なります。
19-nor系はHPTA抑制と性機能問題が重なりやすい
AASは外因性アンドロゲンとしてHPTAに負のフィードバックをかけ、LH・FSHと内因性テストステロン産生を低下させます[1][2]。19-nor系でもこの抑制は残り、サイクル後に低T、低libido、ED、気分低下が出ます。
さらに、19-nor系ステロイドはプロゲステロン受容体に結合し、プロゲスチン作用を示すことがあります[3]。このため、乳腺症状や性機能障害ではE2だけでなくプロラクチンも確認対象になります。
プロラクチンだけで説明しない
高プロラクチン血症では、性欲低下、勃起不全、不妊、性腺機能低下が問題になります[4]。19-nor系の相談でカベルゴリンが話題になるのは、この経路があるためです。
ただし、Deca/NPPやTrenの性機能障害をすべてプロラクチンで片付けると、原因を外しやすくなります。プロラクチンが正常でも、低T、低E2、高E2、睡眠不足、精神的な不安定化、血圧や脂質の悪化で性機能は落ちます。カベルゴリンはPCT薬ではなく、高プロラクチンが検査で合う場合の補助候補です[5]。
ナンドロロン系では射精困難と感覚低下が目立つ
Deca/NPPでは、勃起の弱さだけでなく、射精困難、感覚低下、性欲の消失、抑うつ、無気力がまとまって語られます。テストステロン量を上げても改善しない、AIを入れても改善しない、プロラクチン正常でも残る、といった相談もあります。
この場合、検査はプロラクチンだけでは足りません。総テストステロン、遊離テストステロン、E2、LH、FSH、プロラクチンを同時に見ます。サイクル中なら注射間隔、テストステロン比率、AI使用、睡眠、血圧も原因になります。
トレンボロンは性欲過多と性欲低下の振れ幅が大きい
トレンボロンでは、性欲過多、攻撃性、不眠、焦燥、射精困難が出る人もいれば、低sex drive、疲労、不安、PCT後クラッシュが目立つ人もいます。トレンボロンは19-nor系であり、強いAR刺激とメンタル・睡眠への影響が重なりやすい薬剤です[3]。
トレンボロン中の性機能低下では、E2不足、プロラクチン、睡眠破壊、血圧、刺激薬、PCT移行の低Tを分けます。不眠が強い場合、ホルモン値が悪くなくても性欲と勃起は落ちます。
確認する項目
| 項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 総テストステロン・遊離テストステロン | 低Tによる性欲低下とEDを見る |
| LH・FSH | HPTA抑制と回復状態を見る |
| E2 | 高E2・低E2のどちらも性機能を崩す |
| プロラクチン | 19-nor系や乳汁漏出、性機能障害の切り分け |
| 血圧・睡眠 | 勃起と性欲への非ホルモン要因を見る |
19-nor系では、AI、SERM、hCG、カベルゴリンを同じ「回復薬」として扱うと判断が荒くなります。PCT薬、E2管理薬、プロラクチン低下薬は別の役割を持つため、検査値に合わない薬を重ねないことが重要です。
公開投稿リンク
以下は、2026-06-16時点で読めたReddit/フォーラム上の自己申告です。Deca/NPP、トレンボロン、19-nor系の性機能低下、射精困難、プロラクチン疑い、メンタル変化を読むためのリンクとして残しています。
- NPP: NPP libido loss
- Trenbolone: Compounds: Trenbolone
- Nandrolone depression discussion: What is the reason that nandrolone causes depression?
- AAS/PED mental health discussion: Positive and Negative Effects of AAS/PEDs on Mental Health
出典
- Endotext: Male Reproductive Endocrinology (Endotext / NCBI Bookshelf / Overview) ↩
- Rahnema CD, et al. Anabolic steroid-induced hypogonadism: diagnosis and treatment. Fertility and Sterility. 2014;101(5):1271-1279. (DOI / Overview) ↩
- Kicman AT. Pharmacology of anabolic steroids (British Journal of Pharmacology / 2008 / Overview) ↩
- Melmed S, et al. Diagnosis and treatment of hyperprolactinemia: an Endocrine Society clinical practice guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2011;96(2):273-288. (DOI / Overview) ↩
- DailyMed: Dostinex- cabergoline tablet (DailyMed / NLM / Overview) ↩